【営業①】儲ける力・営業の心得とノウハウ

営業

営業で大事な心得「受注は一日にしてならず」

業界の特性やクライアントがコンシューマ(個人・to C)なのか企業(to B)や行政(to G)というお金の払い手やビジネスモデルの違いによっても異なるが、基本的には営業(や広告)をかけてから受注までには複数の承認プロセスを経たり、競合にも勝たないといけない。

従って「時間がかかる」ということを念頭に置かないといけない。

特に、コンサル業は(善いか悪いかおいておき)人を稼働させてなんぼの世界であり、3か月プロジェクトやケースを頑張ってこなして、終わってから落ち着いて営業かけて、またケースをこなしてという時間軸で考えていると、どっかで間が空いてしまい稼働をさせることができない状態になってしまう。(業界的には、アベッている≒常に稼働できる準備ができているアベイラブル状態に陥る)

コンサル業でなくとも宿泊業とかならわかりやすい、明日の予約が4部屋空いているなと思って、明日泊まりませんか?と声をかけてもおそらく部屋は埋まらないだろう。旅行の計画は急な出張と海外はおそらく前の週には決まっているだろう。前もって、営業や広告を仕掛けて1か月先の予約を埋めておくという「先行管理:前もって来る状況を把握して、準備や対策を練っておくこと」が重要になるのだ。

このことから、「受注は1日にしてならず」と私のチームには言って聞かせていた。

クライアントや業界特性によって営業から受注までの時間軸やプロセスは異なるが、時間がかかることを念頭に置いて、いつプロジェクト・ケースが切れるのか?をあらかじめ把握しておき、切れる前に受注に至るように行動しなくてはならない。

もちろん、早いに越したことはないが、単に早く動けばよいというものでもない。単に口を開けて何かください~!って言いまわっても受注はできないだろうし、競合がいた場合は競り勝たないといけない。営業活動全体のプロセスからよくある失敗や課題を用いながら、1日でならない受注までのプロセスのHow to・ノウハウを紹介していく。

常に未来とゴールと現状を把握する「先行管理」の方法

それぞれのプロセスのノウハウ/How toに入るまでに、冒頭に述べた「先行管理」について説明しておきたい。よくこの手の管理をしてね!とお願いすると、闇雲に「何件アポイントメントを取った」「粗利がどのくらいだ」「受注率はどのくらいだ」とボトムアップにおいてしまい管理のための管理や、自己満足のための管理になっていることが多い。

先行管理で大事かつ見ないといけないのは、以下の通り。

  1. 目標の明確化:
    いつまでにどのような状態になっていることが理想か?または、求められているのか?
  2. 行動実績と傾向の把握:
    目標に向けて正しく動けているか?勝率を加味して順調かどうか?
  3. 不足の確認:
    上記を管理したうえで、正直うまくいっているならOK。ただし、うまくいっていない時こそ何が不足しているのか?何がよくないのかを振り返り次の行動につなげてほしい。

1.目標の明確化

これは、それぞれの会社や個人で求められることが異なると思う。

コンサルの管理職以上の場合は、以下の内容の達成が求められていた。

  • 組織から案分されているベース受注金額(年間評価)
  • 自身が次のステージ上がるための受注金額(年間評価)
  • 自身が面倒を見ないといけないスタッフのチャージ(毎月必要な粗利に相当)

コンサルの管理職は、なかなか厳しい目標設定があり、毎年上昇する目標予算を組織から割り当てられ、その達成が最低限必要となる。加えて、自分がランクを上げるためには、次のランクに必要な受注実績がないといけない。加えて、それらが達成できていても自分のチームスタッフが「アベッて」しまってはいけないため、それを賄わないといけない。それを、年間で評価されるものや、毎月必要なものもあるのでしっかり管理しないといけない。

そこで、私は期初(厳密には前期の期末を迎えるまでに)に必ず、期末のゴールとリスクを洗い出して、自分のチームの戦力(パイプラインと体制)の確認と期末の状態定義を定量的に設定して可視化する。

例えば、

組織からは2.5億円の契約でよいとされているが自分自身が次のランクに上がるために5億円の受注金額が必要とする。

さらに、自分が賄わないといけないメンバーは10人程度るとする。

まず考えるのはそもそも足元の10人を12か月間賄い続けることが可能か?ということ。

毎月いくらの粗利がないといけないのか?また、メンバーがいつ昇格するのか(必要な粗利が増えるので)を明確にする。ざっくり1人当たり300万円人件費で必要だとすると毎月3,000万円の粗利がないといけない。年間で3.6億円の粗利が必要。

では、その粗利が賄えるだけのパイプラインが詰めているのか?受注するタイミングが空くリスクはないのか?

という足元の戦力を囲っておけるだけの状態かどうかを確認する。

次に、それを更に拡大させていくためには、いつ戦力を増員するのか?そのためにはいつから採用活動をしないといけないか?そのために必要な経費はどの程度か?を計算して、改めてパイプラインや受注計画を見直して、着地目標と行動計画を立てるのである。

2.行動実績と傾向の把握

上記計画を立ててからいざ行動・実践となる。もちろんそれ通りにうまくいけば文句ないのだが、競合に負けてしまったり、案件が取りやめになったり、人が辞めたり・休みに入ったりと想定外のことは常に起こる。

従って、私のチームでは毎月パイプラインMTGを行って、受注できたか?来月のお金は足りるのか?ということを確認するのと、そもそも予定通りパイプラインが増えているのか?勝率は想定よりも下回っていないか?をしつこく確認する。

3.不足の確認

傾向を確認すると、大抵不足が生じている。その不足を応急処置的にどう補うか?ということも管理職としてすぐ答えを出さないといけない。

例えば、人が休むとなったら替えをどこかからとってこないといけない。想定の案件がとれなかったらその分の足らず米をどこかから調達しないといけない。(別の章で述べるがだからこそ、管理職は外・マーケットを向いていないとこの不測の事態に解決策を提示できないのである。)

応急処置が済んだら、傾向に関しての要因を突き止めて、本質的な改善を図っていけない。その際に前述したプロセスを追って原因を探っていく。

(#本記事が好評そうであれば、パイプライン管理エクセルのテンプレートなどを出していきたいと思います。)

「機会づくり」プロジェクト前の行動量の把握:どうやったら会ってもらえるのか?

「案件づくり」提案に至っていない数の把握:プロジェクト・ケースにまでなぜならないのか?どんなコミュニケーションをしているのか?

「提案の実施」勝率の把握:何が原因で負けているのか?勝つための準備はできているのか?

次からは、このあたりのこれまでの考察と実践してきた課題解決方法について述べていく。

機会づくりは「武器づくり」から始める

新卒でコンサルに入った層によくあるのが、「若い・優秀」でも営業が苦手だし、人脈もないので新規に案件を取ってこれないという悩みである。そんな層と話すと、こんな言葉が返ってくる。

「まだ専門領域を定められていないんです。」

「専門性がないので話ができないんです」

「キャラじゃないんで」

今日から改めてください。全部言い訳です。正直最初からある人の方が稀有です。

でも、どうやってよいかわからないですよね?私が実践してきたことも踏まえてHow toを記載します。

パターン1:【武器づくり】おぼろげながらやりたいことがある場合

こういうお客さんと仕事したいな。こんなアジェンダっておもしろそうだな。こう思えているなら及第点です。うだうだと考えずに、その業界・領域について今すぐ本を読んだり人に話を聞きに行ってください。その時こそ「若さ」を武器にして、教えを乞えばいいのです。そうこうしているうちに、クライアントが「そういえば、こんなこと興味ありましたよね?」と、最初は当て馬かもしれないですが、声をかけてくれます。

ちなみに、私が担当者・スタッフだったときは、スポーツという分野で旗を立てたいなと思って、スポーツビジネスのスクールに通ったりして知見を高め、その内容に基づき今後のスポーツ業界のあるべき姿というたたき台資料を作って、専門家たちに意見交換(というより、教えてくださいスタンス)をしに行きました。結果として、まだまだ青二才の若造が何やら熱心にやってそうだぞ?という話が回り某省庁の案件の獲得などにつながったのです。

パターン2:【武器づくり】おぼろげにもやりたいことがない場合

おそらくこっちが大半ですね。大丈夫です。まずは目の前のお客さんに注力してもらいたい。

コンサルなんですから、はじめは誰もがその業界の素人なわけです。それでも私たちは人の数倍努力して勉強して、高い報償額をお客様に払ってもらって、胃をキリキリさせながら成果・アプトプットを出していくわけですよね?

なぜそれを軸にしないのでしょうか?一回一回の自分で作った成果をしっかりと自身の肥やしにしてください。

例えば、私が上位スタッフからマネージャーに上がるときに某中央省庁の案件を担当していました。その領域やテーマは私にとっては初めてでしたが、様々な苦労をして何とか10か月の契約を乗り切りました。その過程で勉強したこと、気づいたこと、有識者とディスカッションしたこと様々あると思います。もちろん守秘義務違反はご法度ですが、方法論とか勉強したうえでの示唆とかはまとめられるはずです。

当時のメンバーには、そのテーマにおける市場トレンド・今後の動向・事業者に対する示唆・我々の実績・連携できる有識者を資料にまとめるように指示をしました。

この紙を作ることによって正直1回しかやったことのないテーマでしたが、専門分野としての旗を掲げ、さらに様々な関係団体へ回ることができ、今ではチームの1つの柱となるテーマにまで育っています。(そのメンバーが頑張ってくれました。)

この2つのパターンどちらでもはじめは良いので共通するのは、深堀をして自分なりのインサイト(今後の動向とか、こういう風に変えていくべきだという示唆)を持ち、言語化しておくこと。これこそが武器になります。

ただ、武器を武器庫にしまっておいても意味がありません。

従って、同じく共通なのは「専門家」にその資料を当てに行くことが重要です。当てることで、新しい示唆が生まれますし、業界からの認知度も上がります。

そんな勇気もない、、、、という方は、関係する中央省庁・自治体という行政に持ち込むことが得策です。

なぜなら行政関係はさすがに無下に断れないというのと、行政関係者は公募を出すので公募した時に誰も手を挙げてくれない(入札に参加してくれない)とか、1社だけしか入札してくれないという状況をすごく嫌います。その、行政特性と心理を逆手にとって、どんどん窓口をたたいてください。

おそらく何回か行くと、

「ちなみに、こんな案件があるんですけど・・・応札してみませんか?」

という声がかかります。

そしたら、全力で応札してください。誰かの仕込みが見え見えで勝率が薄くても、全力で提案してください。(ここで手を抜いてしょぼいと多分もう呼ばれません。)

結果、十中八九負けます。いいんです。負けてからが勝負です。

なぜ負けたのか?どういう点が劣っているかのLOSTインタビューをしてください。

そこで足りないものが明確になるのと、提案書という形でまた1つ示唆をまとめているので、必ず肥やしになります。

その肥やしが増えてきたら社内外に仲間ができるでしょうし、肥やしが増えたらその肥やしを武器にしたセミナーや勉強会を開いてください。そうすると自ずと、その領域の専門家として名が挙がっていきますし、仲間も増えて勝手に案件が取れるようになります。

このように悩んでる暇があればまずは、武器づくりの行動初めて見てください。これまでうだうだして悩んでいて見えていなかった世界が見えるようになります。

次回は、武器がつくれて相手にしてもらえるけどなかなか案件にならないという悩みについて答えていこうと思います。

参考書籍

まずは営業プロセスを分解して社内外に対してやるべきことを明確にしているこの本は営業をする上での全体像といつ何を行わないと勝てないのかがわかります。

武器づくりの過程で大切なのはそれを勉強会などにして自分の武器を外に売っていくことです。

セミナーはその1つの手段でしかないですが、セミナーをせずともお客様に対して、「一度貴社内担当者向けの勉強会やりましょうか?」といってセミナーのようにしてあげることで口座を開くきっかけにもなります。

ただ、その内容が薄かったり、あまりにも稚拙ですと当然そのあとのプロセスに進めませんのでこの本を読んで原理原則をつかんでいただければと思います。

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